社長日記
2022年12月24日
今年もありがとうございました
2022年も残すところ僅かとなりました。
今年一年、ご愛顧くださり、心よりお礼申し上げます。
コロナ渦にインフレと、私たちも苦難の連続でしたが、今こうやってお仕事させていただけているだけでも有難く思っており、これも一重にみなさまのお陰と感謝しております。
来年も、いただいた御恩を心に刻み、みなさまの食を支える仕事に、より一層励んでまいりたいと思います。
来年は、今年よりも良い年になりますよう、みなさまのご多幸を心よりお祈りしております。
有難うございました。
さかなだマート
代表 辻合明男
2022年12月6日
北海道は、ここ数日で、急に冷え込みました。
初雪が遅かったのですが、12月に入って雪も積もり、いよいよ北海道らしい景色になりました。
裏の駒ケ岳も冠雪して、勇壮な表情になりました。
駒ケ岳は、東西南北どこから見てもその形が違うのですが、私たちが居るところからでは、ゴリラの横顔に見えます。
どうですか?ゴリラが見えましたか?
昔は、学校の遠足でもこの山を登ったそうですが、今は禁止されており、登山も出来ません。
現在もなお活火山ですが、今は静かにしてくれています。
むしろ、この山から噴火湾に流れ込む雪解け水が、美味しいホタテ貝を育ててくれ、漁師町の漁業を支えてくれています。
魚貝が豊富なのも、駒ケ岳があるお陰なんですよ。
今年の秋は、気温が下がるのが遅かったせいか、紅葉に華やかさがありませんでした。
それでもトレッキングがてらお出かけして、ちょっと気になった風景を気軽にシャッターを押していました。
近所の銀杏の木は綺麗に紅葉していました。
足元の紅葉が綺麗だったので、パシャ。
大きな牡鹿に出会ったのですが、シャッターは切れませんでした。
大沼公園に足を運んでトレッキングしながらパシャ。
昔は、沢山の機材を持って撮影に行ったものですが、今は風景を楽しみながらスナップ感覚で撮影しています。
のどかに日向ぼっこしている人が居たので、シャッターを押しました。
木の右にはカナディアンカヌーが置いてあります。
大沼公園は、風が吹いても波が高くならないので、カヌーを浮かべるには最適です。
絵になるんですよねえ。
そして紅葉も散り、いよいよ冬将軍が来る季節へと移ろっていきます。
2022年11月16日
素材力の話 vol.4 運命的な出会い
前回の素材力の話から間が開いてしまいました。繁忙期に入り、魚をさばく処理に追われてます。
今は、すけそうだら、鮭、秋ほっけ、イナダ、サバ、ニシンの加工をしています。これから冬サバが脂がのってきて総霜降りサバになってきます。
また、ニシンも霜降り状態になってくるので、製造に忙しい毎日になります。
さて。続きですが、場内参加権を取得して、プロの仲買になる道を選択しましたが、数々の困難があることは予想できました。
資格取得までの道のり、水揚げされる魚貝の種類と質、漁師の仕事、仲買のルール、そして言葉の壁など、たくさん乗り越えなければならないことがありました。
中でも大きな壁は、言葉の壁と、資格取得までの道のりでした。
仲買の権利をもらうには、まずは地元の理事会で承認されることが必要です。
最も大きな難関で、大手の水産会社でも10年以上申請しているが承認をもらえないというほど大きな壁なのです。
おそらく、水揚げ量と、仲買の数の調整が必要なためだと思います。
始めの一歩から最大の壁があって、そこを承認もらえないと、そのあと何をしたくても学んでも何もできないんです。
ここは結論から言うと、すんなり承認がおりました。自分でも、えっ?と思うほどすんなり承認がおりたので、驚きでした。
当時は漁獲量が多い年だったから?鹿部町に住んでいるから?地元の保証人が決まっているから? いろいろと考えましたが、定かではありません。
奇跡としか言いようがありませんでした。
現在、10の地方卸売市場の場内参加権を持っていますが、当時、その内のいくつかの市場では、新しい仲買が入るのは37年ぶりだとか、数十年ぶりだとか言ってました。
今から振り返ると、あれは本当に奇跡が起きていたんだなと思うのです。
ただ、今改めて考えると、漁師の吉田さんとの出会いが一番大きかったんじゃないかなと思っています。
そしてこの頃から、今も大切にお付き合いさせていただいている方々との出会いが急速に始まるのです。
漁師である最初の吉田さんとの出会い、函館工業技術センターの水産研究員、吉岡博士との出会い、渡島支庁観光課の方との出会い、地元の水産加工業の方々、某マーケットプレイスの社長たちとの出会いなど、あらゆる方々との出会いが急速に始まり、この方々との出会いが無かったら、さかなだマートは始まらなかったと思うのです。
運命的な縁とは本当にあるんだなと、衝撃的なまでに感じたのもこの時でした。
冬いちごを開発された京都大学農学博士の木村氏に、食を学ぶなら北海道へ行きなさいと勧められ、奈良から誰一人知り合いがいない北海道へ来てすぐ、漁師の吉田さんと出会いました。
吉田さんは、私たちがこの地に来ることを知っていて、待ってくれていたかのように自宅に招待してくれ、いろいろ鹿部の事を教えてくれました。
ご縁をいただいた他の方々もみんなそうでした。
すでに私が北海道へ来る前に準備してくれていたかのようでした。
そして、最終、仲買になるにはもう一つ承認を得る必要がありました。
漁連の承認です。これが予想だにしてなかったことで、思わぬ展開になっていきます。
2022年9月23日
素材力の話 vol.3 未知の世界
素材力の話が、さかなだマートヒストリーみたいになってますが、申し訳ございません。しばらくお付き合いのほどお願いします。
この仕事を始めて23年経ちますが、北海道へ来た当時は正直なところ、水産メーカーをしようなんて全く思いもしてなかったですね。
私は、レストランの運営が長いので、飲食店仲間から依頼を受けて関西へ魚を送ったりすることはあったのですが、ほぼボランティアでやってました。
ただ、そんな依頼が多くなってきたので、ちょっと小さな工場でもいいから作ろうかなって建てたんですが、それでもまだ本業にするなんて想像すらできませんでした。
ある日、それがどう伝わったのか、日清製粉が運営する居酒屋チェーンの総料理長の耳に入ったらしく、電話がかかってきて、「7店舗ある魚の仕入れをお任せすることを出来ないでしょうか?・・」と依頼されたんです。
最初は断っていたのですが、熱心な方だったので、とうとう引き受けることにしたのです。
その頃は、早朝から漁師さんに付いて漁の現場を勉強していて、午後からは比較的時間があったので、魚を捌く勉強にもなるし、やってみようかなと思ったんです。
ところが始めてみると、日を追うごとに予想してなかった量の依頼が入ってくるようになって、「これは困ったぞ・・・」と、引き受けたことを少し後悔する羽目になりました。
「こんな沢山の量を市場から買えるのかな??」という問題が頭をよぎります。
ただ、引き受けた限りはやらなきゃな・・と、市場へ買い付けに出向くのです。
漁師さんの権利で買わせてもらっていたのですが、案の定、何度か大量買いするようになると、場内参加権を持っている仲買の人たちから、市場にクレームが入ってくるようになったのです。
入札が始まる前に買うことを先買いと言うのですが、私が先買いで大量の魚を持って帰るので、仲買いわく「セリにかける魚が少なくなる」というクレームでした。
漁師が先買いできるのは、そんなにたくさんの魚を買わないからなので、それは当然の言い分だと、もちろん私も納得です。
危惧していたことが起き、いやあ・・悪いことしたな・・。という気持ちと、これから日清製粉への提供はどうしようか・・と、二つの問題を抱えてしまうのです。
そしてとうとう、権利を使わせてもらっていた漁師さんのところにも市場から苦情が入るようになり、漁師さんから「夕食がてら、今夜こないか?」とお誘いを受けます。
漁師さんは、多くは語りません。苦情のことよりも、むしろ、私のことを心配してくれて、「おめ、オラとオラの義理の弟が保証人になってやっから、正式に権利をもらったらどうだべ?オラが市場の部長にもしゃべってやる。」と、提案をくれるのです。
場内参加を取得して、プロの仲買になるという思わぬ展開になったこと。そして出会って間もない吉田さんが、保証人にまでなってやるとの申し出に、しばらく言葉が出ませんでした。
「プロの仲買になる??」「保証人になってくれる??出会って間もない私に?」
しばらく考えましたが、吉田さんには何か強い縁を感じていたので、これも運命の中の一つ。大きな流れを感じたのです。
その日のうちに決心して「ありがとうございます。そうさせてもらいます。でも保証人になどそこまで甘えてもいいんですか?」と答えると、「な~んもだ。」と一言返ってきました。
なんもだという言葉は、心配ない、だいじょうぶだ、遠慮はいらない、気にするな、どういたしまして、などの意味です。
もう感謝しかありませんでした。
「市場に並んでいる、サクラマス、鮭、カレイ、ヒラメ、活だこ、まつかわがれい、ボタンエビなど、あの水揚げしたての魚を直接入札して仕入れることができる・・。しかも1トンでも2トンでも」
未知の世界へ入っていく期待が心の中で沸々としていました。
忙しくなるぞ・・。やらなきゃならないことが沢山ある。仲買の権利を取得すること、仲買の仕事を学ぶこと、そして何より北海道の魚を知ること。
などなど、沢山学ばなければならないことがあるのは予想できたのですが、学んだり研究することが好きなので、ワクワクしていました。
当時39歳の出来事でした。
2022年9月7日
北海道フェア残り5日
いつもお世話になり、ありがとうございます。
北海道フェアを春から夏にまたがってロングランで開催してまいりましたが、9月13日(火)で終了とさせていただきます。
長らくありがとうございました。
ただ、今日のニュースで報道されていましたが、ドル円も143円台の円安になり、今後もインフレが進むと予想されます。
円安になるとエネルギーや輸入商材の価格が上がり、国内産の相場も引きずられて高くなります。
流通の源流に居る私たちが重要な役割を果たすことになりますので、極力低価格でご提供できるように努力したいと思います。
また、ただ安くではなく、高い品質でのご提供に努めてまいります。
北海道フェアは終了しますが、特価セールのコーナーで、引き続き安価に提供できるように継続してまいります。
また、訳あり格安品コーナーも、品質を厳選しながら充実させたいと取り組みを始めています。
フードロスの視点から、そしてみなさまの日常生活の後方支援を行えるよう頑張ってまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
2022年9月4日
素材力の話 vol.2 悪戦苦闘のはじまり編
北海道は朝冬冷えるようになってきました。木々の葉も、ちらほらと紅葉が始まり、秋の気配が漂うようになってきました。
私は、奈良の吉野出身で、北海道に来て早や25年経ちます。
よく、なぜ北海道に来たんですか?と聞かれます。
イタリアで、料理とサービスを学んで帰ってきて、奈良でイタリアンレストランを経営していた頃、(もう37年ほど前ですが)、京都大学出身の農学博士に出会って、ハーブのことをいろいろ教えてもらっていたんですね。
当時はドライハーブしかなく、フレッシュがほとんど出回ってませんでした。
農学博士は、木村雅行さんと言うのですが、この方に、「健康に良いし、農業試験場でも栽培研究できるので、協力しましょう」と、いろいろ教わったり提供していただいたり、協力していただいていたんです。
そしてその木村さんの出身が、今私たちが居る鹿部から車で30分ほど離れた七飯町というところだったのです。
木村博士に、「北海道は食の宝庫なので、一度北海道来てみては?」と誘われたことから北海道の縁が始まったんですよ。
奈良は、魚貝が新鮮なものが入らないので、北海道へ来てその鮮度の良さに驚きました。
しかも漁師が水揚げする地方卸売市場を視たので、水揚げしたての魚ばかり並んでいました。
生きている魚や貝が多く、とても感動し、これが私が北海道へ来て移住した理由なんです。
奈良や大阪の市場に並んでいる北海道の魚は、それが普通で、鮮度が良いと思っていたんですね。
だから、鮮度が良いという魚を知る由もなかったんです。ましてや鮮度の中でも極上の鮮度を語れる概念も当然ありませんでした。
どうにか魚を実際捌いて勉強したいということで、地元の漁師さんが市場から買える権利を利用させてもらい(一般の人は市場に入れない)、一から勉強を始めました。
中央卸売市場とは違って、地方の市場は非常に保守的で、市場に知らない顔が居たら、みんな不思議そうな目で見ます。
ましてや私は関西弁なので、何者が来たんだ?みたいな様子です。笑
まずは、言葉の壁が非常に大きかったですね。私もみんなが話している言葉が聞き取れないのですから、それはそれはもうたいへんでした。
「〇×△また来て▢・・%#」 「はあ?」 というような。笑
いやはや、まるで宇宙語聞いているみたいで、これじゃイタリア語や英語のほうが余程やさしいわ・・。みたいな感じです。
そこで、言葉がわからないというったジェスチャーをすると、めんどくせえ・・みたいな顔で返ってきます。
やれやれ・・。
これは魚を勉強する以前に大きな課題があるぞ・・と、どちらかというと、そっちのほうが難しいかもな・・と思ったのでした。
そしてここから10年、悪戦苦闘する日々が始まるのです。
なかなか大変だぞ・・と思うのですが、いやいや、「ネットで簡単にわかるものじゃないからこそ、ここは挑戦したい!」と、決意して臨んだのでした。
次回から、その悪戦苦闘ぶりと、鮮度を知る旅を書いていきたいと思います。
2022年9月1日
天然ブリの大トロ刺身
先日からブリが始まりました。
函館のブリは意外と知られていないのですが、赤身と脂のバランスが良いのか、通の間では人気なんですよ。
脂も、養殖のように脂のギトギト感がなくて、あっさりしてます。
1本1本が重いので、結構な力仕事なんですが、さばき始めたら時間を忘れてしまうくらい集中します。
包丁を使い始めると、もう他のことは何もかも消えてしまい、夢中になってます。
たまに色が悪いのでは?と、ご意見をいただくことがありますが、発色剤や酸化防止剤などの添加物を使わないので、養殖のような色鮮やかさはありません。
でも、これがブリ本来の色なんですよね。
そうそう、今日はちょっと趣向を凝らして、ブリの大トロ刺身を造ってみました。
ブリ一本から1人前ちょっとしか作れないんですが、コツコツ作って、在庫が出来たらお披露目したいと思ってます。
このペースだと、しばらくかかりそうですけど。笑
ブリが水揚げ後すぐに捌き始めるので、けっこう腰がありました。
まぐろの大トロは柔らかいのですが、これはこれで歯ごたえがあるのもいいと、スタッフたちは喜んでましたね。
腰がある分、薄目に造ったのですが、とても美味しかったです。
一晩寝かせてもいいのですが、フレッシュ感ある大トロも捨てがたい味でした。
さかなだマートも20周年ということで、道南一帯の魚貝をメインに扱ってきたのですが、そろそろ魚種を増やすために、北海道全域の魚貝を扱うことにしました。
道南ではあまり水揚げが無い八角や、大きな黒そいなど、道東、道北の魚種も扱っていきたいと考えています。
北海道と言うと、鮭、蟹、ウニ、イクラが人気ですが、他にもあまり知られてない、安くて美味しい魚貝が沢山あるのですよ。
一度食べればファンになる魚も多いと思います。
そんな北海道の海産物をたくさんご案内していきますね。
楽しみにしていてください。
改めましてですが、今後とも、さかなだマートをどうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
2022年8月21日
素材力の話 vol.1
今日からしばらく魚の話をしますね。
市場で目利きをして、毎日魚を数百キロさばいているプロの知識を、楽しみながら感じていただければと思います。
みなさんもご存知のように、魚は鮮度が大事だってよく言われますよね。
確かにそうなんです。鮮度が良いと鮮度が良くない魚より美味しいんですが、ただ、鮮度ってけっこう漠然としてませんか?
あ、釣りをする人って結構わかる人が多いかもしれませんね。
また、魚によって鮮度が良いと言われる時間も変わってきますから、結構難しいですよね。
そこへもって、鮮度が良ければ無条件に美味しいのかと聞かれると、これまた季節や漁法なんかでも違ってくるので、これが魚はむずかしいと言われる所以なんです。
さてさて、シリーズでお届けしますが、全部を話して理解してもらうことは難しいと思うので、品質に大きな影響を与える、主だった原因や理由を書いていきますね。
おそらく今まで聞いたこともない話が出てくると思いますので(地方の、特に地方卸売市場などは旧態依然としたクローズドマーケットですから)
「へ~。そうなんだ・・。おもしろいね。」みたいな感じで楽しみながら読んでいただければと思います。
ちょっと期待してもらっていいと思いますよ。
まずは、魚を鮮度で良し悪しを決めるのではなくて、美味しい状態を知るという前提で話していきたいと思ってます。
もちろん、鮮度は大切なのですが、美味しいと感じる鮮度の状態と解釈していただければと思います。
魚の美味しさに影響を与える要素としては、大きく3点あります。
季節、漁法、加工技術です。
旬や季節だけでも書けることは山ほどあるので、雑談でも聞いているような気持ちで読んでくれたらと思います。
また、このシリーズは、来年、再来年まで続くかもしれませんので気長に読んでくださいね。
というのも、工場で指揮を執りながら、包丁で魚を捌きながら合間に書いているので、ぷっつり途絶えるなんてこともあるかと思うからです。
その時は、「ああ・・社長、工場で包丁握ってるんだな。」と思ってください。
ではでは、北海道の水産工場の中や、セリの市場で、日々考えたり感じたりすることも交えながら、リアルに描いていきたいと思いますので、楽しみにしていてください。
2022年8月9日
熊出没注意
暑い日が続いていると思いますが、体調はだいじょうぶでしょうか。
北海道鹿部町でも昨夜は大雨で、隣町の森町に避難勧告が出ていました。
年々湿度も高くなってます。
ただ、鹿部町はまだ夏らしい夏が来ていないのですよ。梅雨がずっと続いているような感じです。
お盆も過ぎれば、朝夕冷えるようになるので、今年は夏が無いのかなって思っています。
いやあ・・コロナの影響で毎年恒例だった鹿部の花火大会が無いのが残念です。
鹿部町の花火大会は遠方からでもわざわざ見にくるくらい盛大なんです。
漁師町の漁港から打ち上げられる花火は壮観で、花火が開く光と音がほぼ同時なくらい近くで観れます。
あまり近くで観ると、ほぼ真上で開くので、ちょっと首が痛くなりますけどね。
ここ2~3年、明るい話題が少なかったので、こんな時こそ明るく盛大に打ち上げてほしいと思うんですけどね。
そうそう、今年の北海道はヒグマが多く出没しているらしいですよ。
猟師が減ったせいでしょうかねえ。人を恐れなくなってきていて、市街地や住宅街でも頻繁に出没しているみたいです。
私も渓流釣りに行った時は、足跡や糞をよく見るようになりました。
ヒグマの足跡です。川辺に水を飲みに来たのでしょう。手の平の上のほうが爪の跡です。
ほんの1時間ほど前についた足跡で、遭遇すると危険なので、爆竹を鳴らして音で威嚇しました。
足跡を見つけた時は、すぐに後ろを振り返りますが、背筋に悪寒が走ります。
ただ、ヒグマが多い地域ですが、人的被害は聞いたことが無いのですよ。
熊が人を避けてるみたいです。
ちなみにこの日は45㎝のニジマスを吊り上げました。
スペイン料理のナバーラ風ムニエルにして食べましたが、とても美味しかったです。
川魚は海の魚より鮮度が大事なので、生かしたまま持って帰って、調理の前に締めて料理しました。
暴れると味が落ちるので、中骨の下を通っている動脈を切らないように中骨を切ると、静かに長く生きています。
今日は以前にも紹介したのですが、熊出没中の看板をいくつかアップしたいと思います。
それぞれ地域によってデザインが違うので、楽しいですよ。
鹿部町の林道です。さて、どっちの道を行こうかなあ・・。いやいや、普通、ここで引き返しますよね。笑
鹿部町も稀に出るので、どこに出たか有線放送で流れます。
これまた・・怖すぎです・・。絶対誰もこの先へ行かないよね。
七飯町のダムに立っていた看板。デザインがお気に入りです。
野生動物の保護と遭遇注意を促しているような感じがします。海外にもありそうなスタンダードデザインです。
これはかわいいですね。でもこの看板を見てかわいいなんて言って注意しないで入ると・・ある意味怖いかもしれません。
まあ、こんな感じの看板でした。
また新しい看板を見つけたら写真に撮ってアップしますね。
2022年7月20日
オオナゴ完売しました
オオナゴをご案内しましたが、たくさんの方にご注文をいただきました。
在庫が少なくなってきましたので、またお待ちいただく事態にならないように、販売を止めさせていただきました。
今後も水揚げがありましたら製造し、販売再開させていただきます。
ありがとうございました。
2022年7月20日
オオナゴ水揚げ
オオナゴが揚がりました。
もう群れは来ないだろうと、製造ラインも閉じたところでしたが、200㎏弱の水揚げがあったので、急遽製造しています。
いやあ・・ほんとにわからないものです。
ただ、オオナゴが欲しい仲買いが増えているので、浜値は少し競り上がっています。
この先の漁については、わかりませんが、とりあえずご予約いただいていたお客様には滞りなくご提供できてほっとしています。
また、100㎏あまり残るので、その分だけでも販売させていただきます。
本日、ラインでご案内させていただきますね。
2022年7月16日
アニサキスゼロへの取り組み
近年、アニサキスの問題をよく目にするようになりました。
アニサキスとは魚にいる寄生虫のことですが、ご存知ない方は、ネットなどで調べてみてください。
今日は、みなさんに安心して魚を食べてもらうために、私たちのアニサキスゼロを目指した取り組みを書きますね。
まず、私たちの環境下では、アニサキスが魚の身に付きにくいという理由があります。
主にアニサキスは、魚が生きているうちは、内臓に多く寄生しています。
そして魚が死んだら、内臓から身のほうへ移動していきます。
①一つ目の理由は、私たちの魚の入手法は、ほとんどが漁師が水揚げする地方卸売市場からです。捕り立ての魚ですから、非常に鮮度が良く(生きて工場へ運ばれる魚も多い)、アニサキスが内臓から身に移動するまでに内臓を取り出すので、あまり身に付かないということです。
②二つ目は、さかなだマートの商品は、ほとんどが冷凍処理です。マイナス30度の3Dエアブラストで急速冷凍してそのままマイナス30度で冷凍保管します。(マグロやブリ、ニシンなどはマイナス60度で保管)
アニサキスは冷凍温度マイナス20度、24時間以上で完全に死滅するので、もし食べてしまっても食中毒を起こしません。(焼いたり煮つけたり、加熱の場合は70℃以上、または60℃なら1分で大丈夫です。)
③そして三つ目は、手作業で魚を処理するからです。もしアニサキスが身に付いていても、ほとんどの場合、目視で見つけることができるので、その場で取り除くことができます。
冷凍でアニサキスが死んだとしても、なるべくなら口の中には入れたくないですよね。
アニサキスの問題については、私たちとしては創業時の23年前から問題視してました。
15年前から20年前というと、どのメーカーも、いかに鮮度よく生魚を送ることが出来るかという技術に切磋琢磨していた時代でした。
私たちは、もちろん生魚を送る技術も持っていたのですが、それより、解凍しても生と変わらない冷凍品を作るんだと全力を注ぎました。
当時は機能の高い冷凍機がなかったので、自社で開発して作りました。
マイナス65度ブライン凍結機、3Dエアブラスト冷凍機、いずれもさかなだマートが自社で開発した機械です。
ブライン凍結機は、最近某人気番組でも紹介されましたが、まだまだ私たちの技術には届いていません。
先だって、お客様から、「最近、アニサキスの問題でスーパーに刺身の魚がないの」とおっしゃられていました。ちょっと不安そうだったので、
安心してもらおうと、社長日記できちんと説明しておくことにしました。
刺身って日本の食文化の象徴的な料理ですもんね。
そうそう、浜市場の近くに居ながら、どうして冷凍技術に力を置いたのかということですが、生魚だと、発泡スチロールに入れて発送すると、すごく高い送料になるんですね。
また、鮭一尾を送ったとしても、使い切れず、結局残りは非力な冷凍庫で凍らせることになりますから、残りは鮮度や身の状態が良くないものを食べることになります。
あとは、北海道から送ったら、早くても1日以上かかりますから、いくら鮮魚発送の技術を向上させても、限界があるんですよ。
しかも、その魚の身質や旨味が、最高潮に達したタイミングで食べることが出来るのかと言うと、これはもう不可能に近いんですね。
アニサキスも懸念していましたが、プロの方はご存知だと考えているので、生発送はしていましたが、ただ限定的でした。
(青魚に多いアニサキスですが、白身にも寄生していることがあるので、注意深く処理しています。)
上記の、諸々の理由から、「解凍しても鮮度が良く、身質も良い魚を食べることができたら?」という発想からストーリーが始まったんです。
2022年7月7日
オオナゴについて
いつも社長日記を読んでいただき、ありがとうございます。
道南は今、梅雨の季節です。
北海道に梅雨は無いのでは?と思われる方もいらっしゃると思いますが、近年は明らかに梅雨だとわかるようになりました。
昔は、蝦夷梅雨と呼ばれ、霧のような小雨が降ることが多かったのですが、最近は普通に雨が多くなってきました。
さて、以前、めるまがでもご案内したオオナゴですが、予想外の反応で、沢山のお客様にご注文をただき、心から感謝してました。
ただ、その後、ぷっつり漁が止まり、逆に沢山の方に待っていただくというご迷惑をおかけし、嬉しい反面、応えられないもどかしさも感じてました。
時間がかかりましたが、多くの方にお届けできた一方で、結局、ご提供できないままの方もおられます。
例年、漁期としては7月中旬頃までありますが、この分ですと、水揚げの可能性が少ないと思いますので、販売を停止させていただきました。
もし水揚げがあっても、まだお待ちいただいているお客様にご提供するだけで精一杯になると思います。
たくさんのご注文ありがとうございました。
待っていただいたお客様、ありがとうございました。
そして、まだ待っていただいているお客様、まことに申し訳ございません。
2022年6月15日
本まぐろの製造を始めました。
今年は当たり年なのか、数本捌いてみてどれも質が良かったです。
1尺5寸のまぐろ包丁、1尺1寸のやなぎ、1尺のやなぎ、9寸のふぐ引き、そして大きな出刃包丁と、部位により使い分けて捌きます。
まぐろに向かう時、いつもながら心地いい緊張感に包まれるのが好きです。
自然と気が充満し、気が付いたら意識がマグロと包丁に集中しています。
意識しなくても自然に意識が変わるので、これもマグロの持つ魅力のせいでしょうか。
3本分、柵どりしましたが、どれも美味しく、赤身もいつもとはちょっと違い、サッパリ感の中にも、深くコクのある味を感じることができました。
柵にしたマグロを、赤身、小トロ、中トロ、大トロと、脂ののり具合で分けていくのですが、こちらもいつもと違い、赤身が少なく、小トロ以上の柵が多くを占めました。
まだ始まったばかりでこれからですが、こんなマグロが続いてくれたらいいなと、捌きながら考えてました。
水揚げ地は、日本一の高値が付いた、戸井漁港の近くの木直漁港ですから、まぐろ自体はほぼ同じものです。
まあ、それだけで品質が決まるわけではなくて、水揚げの仕方から締め方、保管の仕方など、要素はいろいろあるのですが、木直漁港は処理の仕方が良いと評判です。
あとは、私たちが入札し、入手してからの処理の仕方も身質に大きな影響を及ぼします。
水揚げ直後にさばくと味に深みが無いので、冷蔵庫で寝かせます。
旨味がのり、尚且つ身質がしっかりしているタイミングで、いよいよ包丁の出番となります。
前夜に切れ味を確認し、研ぎが甘い包丁は全て研ぎを入れます。
切り口の表面を綺麗に仕上げながら柵にしていきます。
切れが甘い包丁でさばいたマグロと、切れが良い包丁でさばいたマグロでは味が全く違ってきます。
水揚げから刺身になるまでの一連の工程の中で、一つでも手抜かりがあると美味しいお造りにはなりません。
そうそう、生のうちに柵を作るのは非常に珍しいのですよ。
多くは、冷凍してからバンドソーという食品ノコギリでカットするのですが、身質を考えると、生のうちにカットして超急速冷凍するほうが、食感も味もダントツです。
その代わり、一日に多くを捌くことは出来ません。
でも、それでいいと思ってます。
技術者の私たちは、美味しい魚を作るという価値が第一なんです。
そして海洋資源の持続可能性という意味においても、手作業で質の高いものをコツコツ作るような仕事がいいなと考えています。
時間を大量生産に使うか、品質を高めることに使うか?
私たちは後者なんです。
2022年6月8日
しめ鯖
ここ数日、潮の流れが変わったのか、マグロ、おおなご、サバ、イワシなど、水揚げがぴたっと止まってしまいました。
揚がる時に止まってしまうには、いくつかの理由があります。
時化が続く時は漁に出れないためですが、他に、潮の流れが急に変わった、潮の流れが速くなった、海水温に変化が起きた時など、こういった時は、全く水揚げがなくなることがあります。
またしばらくすると戻ってくるんですけどね。
ところで昨年からシメサバを試作しています。
しめサバは作っているところが多いので、ある意味、感動してもらうには難しい商品だと思ってます。
今の季節のサバは赤身が美味しく、冬サバは脂がのっていて美味しいですね。
今年に入ってからも何度かシメサバを作りましたが、鮮度が良すぎて塩が入らないとか、なかなかうまくいってません。
細胞が生きていると、異物を跳ね返す力があるので、塩などの調味料も跳ね返されてしまいます。
これはイクラの醤油漬けを作る時も似たような事が起きます。
水揚げ直後の鮭から取り出したイクラは、異物が付くと、表面の皮を硬くして異物が混入しないようにするので、醤油が入らないのです。
ですから、一度冷凍して、戻してから醤油漬けにします。
函館の水産研究所の吉岡博士が言ってましたが、産卵期の時、受精した鮭の卵は、他の精子を受け付けないように、表面を硬くしてガードするみたいです。
ただ、どんなシメサバを作りたいか、理想があるので難しくしているのだと思います。
生の感覚を残した、鮮度の良いシメサバをと考えているので、どうしても鮮度の良いうちに作りたいと思うのです。
水揚げ地に居る私たちが言う「鮮度が良い」とは、細胞が生きているレベルなので、一般の感覚での鮮度とはちょっと違います。
鮮度の良い生の状態からだとちょっと難しいのかもしれませんね。
そこで今考えているのは、サバを鮮度が良いうちに瞬間冷凍して、一度細胞を弱らせてから作るという方法です。
いろいろ試行錯誤してみたいと思ってます。
2022年5月31日
本マグロのシーズン
まぐろの水揚げが増えてきました。
今日は道南太平洋側で40本くらい水揚げがありました。
100㎏越えも数本ありましたが、主に40㎏~50㎏程度の本マグロが多かったですね。
だいたい本マグロは、サバを追いかけて来ます。
イワシを追いかけてサバの群れが来て、そのあとサバを追いかけてマグロが来るというパターンですね。
食物連鎖が働いています。
北海道は、年々サバが増えてきてますので、マグロも増えてくる可能性があります。
また、世界的にもマグロは資源が復活しています。
道南の漁獲制限も、前年より130%増えると聞いています。
毎年、年末まで在庫が持たず、売り切れになってしまうので、今年は少し増産する予定です。
さかなだマートがあまり多くマグロを作れないのは、生から柵を作るからなんですよ。
通常は、冷凍したマグロの姿を、バンドソーというノコギリでカットして柵を作ります。
水揚げ時期に、姿で大量に凍らせておいて、あとから時間をかけて柵を作るので、たくさん作ることが出来るのです。
さかなだマートは、生から柵を作るため、生産に時間がかかるので、一日の生産量が限られます。
姿のマグロを液体窒素(マイナス196度)や、マイナス60度庫で強力冷凍しても、さすがに50㎏の魚体を凍らせるには数時間から半日かかります。
生のうちに、柵までカットして凍らせると、3Dエアブラストだとほんの数分です。
ですから、高い品質のマグロを作るために、生のうちから小さくカットした柵作りをしてから、凍らせるという工程で作るのです。
ただ、その分バンドソーでカットしたようにまっすぐな柵が出来ず、ちょっと形がいびつになったりします。
形をとるか、身質を選択するか?
さかなだマートが選択したのは、身質重視でした。
終始、包丁でカットしていくのですが、切り口はバンドソーと比較して非常に滑らかに仕上がります。
ここも利点ですね。
多少、柵の線がいびつになっても、そこは目をつむって許せるだけの価値があると思っているんですよ。
2022年5月27日
オオナゴ水揚げ
4年ぶりです。
オオナゴが水揚げされたので製造しています。
さかなだマートで製造を始めたのは2018年の5月で、当初、オオナゴを案内してもあまり注文が入らなかったのですよ。
オオナゴを知ってる人が少なかったからなのかな?
かく言う私もオオナゴを食べたのは、その時が初めてでした。
姿がよく似た魚で、チカという魚が居て、築港あたりでもよく釣れるんです。
味もチカに似ているのかな?と思いながら食べたのですが、これがチカより遥かに美味しかったんです。
身はクセがなくて、とても淡泊で、から揚げにしたり、てんぷらにすると美味しいんです。
これは喜ばれるぞ・・と、2トン近く作ったのですが、いざ販売してみると、ほとんど反応なしでした。笑
「これだけ沢山作って・・どうする?」と、頭を悩ませていて、とにかく飲食店さんに案内してみようと、電話営業するのですが、ほとんどの料理長も「どんな魚?」と、オオナゴを知らなくて、買ってくれません。
ほとほと売り先に困っていたのですが、「じゃあ、サンプルを送ってみて」と依頼されたところが、美味しいので夏のメニューにスポットで入れたいと、500㎏くらい買ってくれたんです。
そんなこんなで四苦八苦しながら、なんとか在庫を消化することができ、ほっとした経緯がありました。
ただ、そんな中でも当時、注文をくださったお客様から、季節になると、「オオナゴはないの?」「オオナゴは今年もないの?」と、問い合わせが来るようになったんです。
「すみません・・、今年も水揚げが無いのですよ。」と、お詫びしてましたが、年々問い合わせが増えてきて、今年は今までより急に問い合わせが増えたんです。(テレビで特集でもされたかな?)
私たちも今年は水揚げがありますように・・と、祈る思いでしたが、先だって朝一番、「今日はオオナゴがありました!」との報告があったので、みんな大喜びでした。
水揚げ量は4年前と比べると少ないのですが、まだ水揚げがあると思うので、揚がれば作っていきたいと考えてます。
製造を始めた頃は、知名度がなく、あまり人気が無かったのですが、淡泊で上品、おいしいときてますから、もっと知ってもらいたい魚です。
ああ、そうそう。この魚、骨が柔らかいので、から揚げや天ぷらなどの揚げ物にすると頭から骨まで食べることができるんですよ。
また、プランクトンを主食にしてるので、内臓を取り出す手間も省けて下処理も要らないのがいいですね。
いやはや・・、天然の魚って必ず水揚げされるわけではなく、自然任せですから、時にはハラハラすることがあります。
まあ、だから水揚げされた時は嬉しいんですけどね。
おそらく今日、オオナゴのLINE配信をすると思います。
気になられたら、下記のページでご覧ください。
さて!そろそろ本マグロがやってくる季節になりました。
今日は南茅部で40㎏級が1本揚がりました。初水揚げです。
今年は昨年の130%くらい捌くつもりです。しっかり仕込みの準備をしておきたいと思います。
2022年4月30日
桜の開花
北海道鹿部町は、桜が満開になりました。
例年より、一週間ほど早い開花です。
今日は天気もよくて暖かいので、家の近くの桜並木をお散歩がてら花見に行ってきました。
私は、奈良の吉野生まれなので、桜の季節になると、ふるさとを思い出すんですよ。
奥千本の展望台に立って一望すると、中千本あたりに国宝の吉野山蔵王堂があるんですが、この尾根沿いにある天空のような町を守ってきたんだなって思いながら眺めています。
吉野山の桜
函館だと、五稜郭か松前城の桜が見事ですよ。
私は松前城の花見が好きなんです。というのも野原にこんな花が咲いていて、桜に野の花にと、とても綺麗で、まるで桃源郷のようなんです。
野原に咲く野の花
そして下の写真が松前城の桜です。
松前城の桜
今も昔も桜にはみんな心魅かれるんですよね。
さて、今日は最後にちょっと鹿部町の特産、タラコをご案内して閉じますね。
20周年記念で、たらこの切れ子をお安くご案内してますので、よろしければこの機会に味わってみてください。
噴火湾、鹿部町のたらこは、粒のキメが細かいことで有名なんですよ。
こちらはハンバーガーボーイズの動画
HAMBURGER BOYS / GET TARACO - 鹿部町-[Official Video] - YouTube
5月1日(日)までの2日間限定販売です。
2022年4月9日
春夏 北海道フェア、楽しんでいただいてるでしょうか?
今年はサクラマスの水揚げが少し遅れ、やっと大きなサクラマスが揚がり始めましたので、
ご予約いただいていた柵を作りはじめました。
この作業は、私にとっても、とても待ち望んでいた作業なんです。
サクラマスは、若い頃から憧れの魚だったんです。
当時は、まだ奈良の吉野に住んでいて、渓流のヤマメ釣りによく行ってた頃です。
川の妖精と呼ばれる、ヤマメという魚があまりにも美しいので、成魚であるサクラマスってどんな魚なんだろう?と、一度実際に見てみたくて、ずっと憧れてました。
※ヤマメの成魚がサクラマスと呼ばれます。
関西ではお目にかかれなかったのですが、24年前、北海道へ移住した時に、地方卸売市場(鹿部漁協)に並んでいて初めて見ることが出来たのです。
その出会いは、「まさか!? これってサクラマスじゃない??」と衝撃的でした。
その実物は、想像を遥かに超え、魚体の美しさと、体表の銀のまばゆさに驚きでした。
少しでも鮮度が落ちると、鱗が剥がれてしまう魚ですが、見事にウロコが揃っていました。
その頃にはまだ市場参加権(セリや入札制度)を取得できていなかったので、知り合いの漁師に一緒に市場に行ってもらい、漁師の市場買いの権利で一本わけてもらいました。
市場では、一般の人は買えませんが、漁師は、市場で買う権利があるのですよ。
市場に水揚げされたサクラマス
早速持って帰って捌いてみると、赤にオレンジがかった色で、ハッとするような鮮やかさに、またまた驚きでした。
とにかく早く食べてみたいと、一切れ刺身に切って口の中に入れると、これまた感動!
トロっとした食感と舌ざわり、脂ののりと、終始期待以上の魚であった事に大満足でした。
憧れが、憧れ以上の存在だったことに、大喜びでした。笑
サクラマスは、ほんとうに気品ある魚です。
そんなことから、毎年初春から、サクラマスが来遊してくるのをワクワクしながら待っているんですよ。
市場では、あまりサクラマスばかり入札するので、サクラマスの嘉楽(さかなだマート)と呼ばれるようになったくらいです。
でも、この魚、鮮度を見分ける眼と、適切な素早い処理と技術が揃わないと、本当のサクラマスの味を味わうことが出来ません。
とても鮮度落ちが早い魚で、水揚げされ、市場に並んだ段階で鮮度落ちしているサクラマスもあるくらいです。
ですから、絶対条件として、漁師が水揚げする市場の近くに工場がないと、美味しい刺身は作れません。
土曜日、サクラマス柵の販売を始めましたが、数十枚分しかないので、すぐに売り切れると思います。
でも、5月初旬頃まで水揚げがあるので、また水揚げがあった時に作って再販したいと考えています。
2022年4月4日
おかげさまで20周年
いつもさかなだマートをご愛顧いただき、まことにありがとうございます。
さかなだマートもOPENして20年経ちました。みなさまのお陰と心より感謝しております。
20年前を振り返ると、ホームページを作るにも便利なツールがなく、試行錯誤しながら、四苦八苦しながら作っていた事を思い出します。
北海道の水産メーカーのほとんどはHPを持っていない時代でしたね。
当時は、ホームページを作ることが出来る技術者が少なく、ほとんど自分で設計して作っていました。
朝から作り初めて、気が付いたら朝になっていたなんて事はよくありました。笑
60歳過ぎて、そんな仕事の仕方は出来なくなってしまいましたが・・、でも希望に満ちていた時で、時間も忘れて作っていた事がとても懐かしいです。
なんでも作ることが好きなので、遊んでいるかのように楽しかったんでしょうね。
でも、いつもその向こうに人が居て、楽しんでいただけることが想像できるから、私も楽しめたのだと思います。
そしてその気持ちは今も同じです。
また、ほとんど機械を使わず、包丁で魚をさばくところなんかも、20年前と同じなんです。
包丁でフィレにしたほうが、包丁で切り身にしたほうが、包丁で・・と、包丁で切ったほうが美味しいとわかっていながら機械で量産するという事が出来ないんですよ。
冷凍技術なんかもそうです。時代は、生の鮮魚出荷の技術を競っている時に、生と変わらない冷凍技術開発に没頭していました。
おそらく、冷凍技術に関しては、当時から時代の最先端をいってたと思います。
もちろん生出荷も技術は持っていますが、生だとどうしても送料コストが高くなったり、お客様がその日に使い切れなかったら、後日、品質の落ちた魚を食べることになりますから、やっぱり高い冷凍技術を目指そうと頑なに取り組んできたのですよ。
魚をさばきながら、その向こうにお客様がいると想像しながら作っていると、仕事も生き生きして取り組めます。
私たちの生活を支えてくれているのはお客様であり、また、私たちの仕事のやりがいもお客様からいただいています。
私は動けなくなるまで工場で包丁を握っていたいし、お客様においしい魚を送る仕事をしていきたいと思っています。
これからもご支援いただけると、これ以上の喜びはありません。
生きがいをもらいながら、更にお願いばかりしてちょっと厚かましいですね。^^;
それでと言ってはなんなんですが、いただいてるばかりでは申し訳ないので、御恩返しに、春夏北海道フェアを開催することにしました。
これまでのフェアとは違って、インフレに抗い、夏の終わりまでの5か月間というロングセールでいきたいと思います。
また、ただのセールにしたくないので、これまでセールしたことのない商品や、新商品、おもしろい企画なんかも交えながら、最後までご案内していけたらと考えてます。
夏の終わりまで、20周年アニバーサリー企画をお楽しみください。
そうそう、先日まで「食料高騰時に役立つ水産メーカーからの提案」をめるまが配信していましたが、今回、そこに向けての新しい商品を追加しました。
の、3点が新しく作った商品です。
真空包装はしてませんが、グレーズという、氷の被膜で魚を覆う技術を使って空気を遮ってます。
解凍時に、氷の被膜が解けて水になりますが(極少量)、ドリップではないのでご安心ください。
バットの上にザルかなにかを置いて、その中で解凍してもらえれば水が付かないので、ベストです。
グレーズとは、魚を極低温にしてから氷水の中にさっとくぐらせ、魚の表面全体を薄い氷の幕で覆い、空気を遮断する技術です。
真空包装すると、魚の尖った部分で袋が破れそうな時に、よく使うテクニックなんです。
ではでは、最後まで春夏北海道フェアをお楽しみください。
2022年3月27日
食料高騰時に役立つ水産メーカーからの提案vol.4
私たち水産メーカーを利用される方は、いろんな目的でいろんな用途で買っていかれます。
魚が好きだからという方はもちろんのこと、中には「料理が好きだから、姿の魚を買って自分で作りたいから」
「いい包丁を買ったので、試してみたい」「贈り物にしたい」「手間をかけずに美味しい魚を食べたいから」
「姿の魚だと頭も付いてくるから」などなど。中には、「愛ネコに安全な魚を食べさせたいから」「釣りをするのに、鮮度の良いイワシが必要だから」など、本当にさまざまです。
さて、食料高騰時に役立つ水産メーカーからの提案、vol.1~vol.3までは、品質良く長く冷凍保存できる方法をアドバイスしてきました。
今回は、安価に購入する方法をいくつかアドバイスしますね。
①まとめ買いをすること。
同じ商品を500g買うのと、2㎏買うのでは単価が違ってきます。
ショップにもよるのですが、500g×4セット買うより、2㎏のロットで買うほうが、安価に設定している場合が多いです。
同じ商品をまとめ買いすると、安価に購入できるケースが多いですね。
②同梱して沢山買い、送料を安くすること。
でも、同じ商品を沢山買うより、いろんな商品を少なく何種類か買いたいと思うこともありますよね。
そんな時は、冷凍で送れる最大重量を詰め合わせで満たすという買い方もあります。
これは、2㎏発送するより、12㎏を一度に発送するほうが、送料が安くなるケースが多いからです。
例えば、送料が2㎏で500円だったとします。しかし、12㎏を詰めることが出来る箱だと、送料が1箱1200円で済むという場合があります。
送料一律という場合もありますので、その場合は当てはまりません。
送料が2㎏で500円の場合、商品1㎏あたりの送料が250円になりますが、12㎏詰め合わせて買うと、商品1㎏あたりの送料が100円になります。
但し、違う商品を一つの箱に同梱してもらえるショップでないと出来ないので、気を付けてください。
③セールの時に買い溜めする。
ショップがセールをしている時に買い溜めしておくといいですね。ただ、セールの時は、古くなった商品を在庫処分のために行う場合もありますから、気を付けてください。
セールの場合、特に魚は、信頼できるショップで買うようにしたほうが良いです。
④あまり加工処理されてない魚を買って自分で料理する
料理が好きだったり得意だったりする人は、姿のまま買うと安く済みます。
メーカーも、手間いらずの商品を作る時は、数工程経て作るものですから、どうしても時間と人件費が販売価格に上乗せされます。
姿だと、手をかけても鱗を取り除く作業と、内臓を乗り除く作業だけで済むので、安価で販売できるのです。
フィレまで作れると、冷凍庫が嵩張らずに、より沢山保管できますよ。
原魚(姿の魚)は、うろこも内臓も取らないで送ってほしいとの依頼もあります。
魚によっては、内臓が美味しい魚もたくさんあるんですよね。
私はもちろん自分でフィレまで捌いて、真空包装して3Dブライン凍結してます。
大きな魚は、一度に食べることが出来ないので、カットして個包装して保管します。
また、頭が美味しい魚や、骨から出しをとれる魚の中骨は、ビニール袋に入れて保管してます。
海鮮鍋なんかする時に、予め魚の中骨と昆布を鍋に入れて、出しを引いてから具を入れると美味しくできるんです。
魚の骨で出しを引いて、魚貝のリゾットなんか作っても美味しいですよ。
頭は、鮭の頭や、さくらますの頭なんかが人気です。一度に数十㎏も買っていかれる方がいるほどです。
また、軟骨部分は骨などの病気にいいんですよね。
自分で調理すると、魚は捨てるところがほとんど無く、内臓も食べることが出来る部位が多く、しかも美味しいですから、料理が出来ると更にお得ですよね。
2022年3月21日
食料高騰時に役立つ水産メーカーからの提案vol.3
昨日、空高く、オオハクチョウが編隊を組んで北の方角に飛んでいました。
冬場、大沼公園で休んでいたオオハクチョウが飛び立ってシベリアへの北帰行です。
大沼公園で休んでいるオオハクチョウ
さて、今日は、生から冷凍する時に気を付けることを書きますね。
生の鮮魚で鮭を入れた時、その日に使って余った魚を冷凍保存します。
冷凍時に気を付けることは、急速に冷凍することです。
この速度次第で、解凍時に美味しく食べれるかどうかが決まってきます。
緩慢冷凍と言って、ゆっくり凍らせてしまうと、解凍時にドリップ(旨味)が流出してしまうのです。
よく、スーパーで、ドリップシートが液が滴るくらい濡れているのを見たことがあると思いますが、あれは、冷凍保管してあった魚が、解凍時にドリップ流出してしまった良くない例なんです。
生でも焼いても、旨味が抜け出てしまうと美味しくなく、どうしようもないですよね。
ではなぜ解凍時に旨味が流出してしまうのかと言うと、冷凍時にすでに魚の細胞が破れてしまっているからなんですよ。
魚の細胞と細胞の間には、小さな水分があるのですが、ゆっくり冷凍すると、この水分がトゲを形成しながら大きくなっていき、細胞を囲っている細胞膜を突き破ってしまうのです。
そうすると、解凍時にこの穴からドリップが流出してしまうのです。
これがドリップの正体なんです。
ではどうすればドリップを防ぐことが出来るのか具体的にアドバイスしますね。
ドリップの正体は、氷が膨張してトゲを作りながら細胞幕を破ってしまうことでした。
氷は、0度~マイナス5度の温度帯に最も大きく膨張してしまいます。
ですから、この温度帯を素早く通過させることが、品質の良い冷凍品を作るポイントになるのです。
そうすると、冷凍パワーの弱い家庭用冷凍庫では無理なんじゃない? と思われると思いますが、そこはちょっとした工夫で、通常より早く凍らせることが出来るんですよ。
大きな鮭の生フィレを買った場合を例にすると、まず一人前ずつ小さいポーションにカットします。
こんな風にカットできたら、今度は一切れずつジップロックかビニール袋に入れて、中の空気を出来るだけ抜きます。
ジップロックにしろビニール袋にしろ、袋の口からストローで空気を抜いてもいいですね。
さて、ここからがポイントです。大き目のバットかボウルでも良いので、冷たい氷水を作ります。
氷水がよく冷えたら、袋に入れた鮭を生のまま入れてよく冷やします。
大きさにもよりますが、約30分くらいで鮭の身の中心まで冷えますかね。
鮭がよく冷えたら取り出し、袋の表面の水滴をよく拭き取り、素早く冷凍庫へ入れます。
この時、大き目のアルミバットに重ねることなく並べて凍らすと更に早く凍らせることができます。
アルミニウムは熱伝導性が高いので、私たちの工場でもよく使ってます。
15度くらいの鮭の塊をそのまま冷凍庫へ入れるのではなく、小分けして、身の中心までよく冷やしてから入れることによって、0度からマイナス5度までを素早く通過させることができるのです。
また、小分けしておくと、食べたい分だけ解凍できるので便利ですよね。
いかがですか?ちょっと一手間をかけるだけで、品質良い冷凍品ができるんですよ。
いくら強力な冷凍庫を持っていても、冷凍製造時に細胞が傷ついていたら、解かすとドリップが流出して美味しくありません。
ここまでのまとめ
急速冷凍した品質の良い食品を購入する、または自分で作る。
そして包んでいる食品の酸素を抜いて酸化を防止する。
出来れば冷凍温度がマイナス30以下の冷凍庫を利用する。
これが理想ですが、一般の冷凍庫でも、ここまで気を付けて冷凍保管すれば、従来より格段に品質良く長持ちしますよ。
2022年3月13日
食料高騰時に役立つ水産メーカーからの提案vol.2
いつも社長日記を見ていただき、ありがとうございます。
ここ2~3日、ちょっと気温が上がって、春の気配を感じてます。
雪が解けると、ふきのとう、タラの芽、行者ニンニクなんかが芽を出してきます。
そしていよいよ私の大好きなサクラマスの群れがやってきます。
春夏秋冬、どの季節も好きなんですが、冬から春にかけて、映画のようにシーンが変わる、
季節の変わり目が大好きです。
長い冬が過ぎ、一斉に芽吹き始めた新緑の山
北海道は、ちょっと不思議ですが、季節の変わり目がとても派手なんですよ。笑
特に新緑が華やかになる冬から春への変わり目と、夏から秋に変わる紅葉の時がすごいですね。
ほんの数日で紅葉一色になって、駆け抜けるように、足早に冬になります。
春は比較的長いのですが、夏、秋はとても短いんですよ。
日本は、春夏秋冬がはっきりしているので、季節ごとに自然を楽しめますね。
さてさて、前回は家庭でも大きな冷凍庫を買ったらどうだろう?と、提案しました。
今回は、長期間おいしく冷凍保管しておくには、どういった点に注意したら良いんだろうという話しです。
まず、なるべく高い品質で長期間保管したいと思うなら、注意したい大きな要素が2点あるので知っておいてくださいね。
①空気を抜く
冷凍庫の中は乾燥しているので、食材を袋に入れずにそのまましまい込むと、乾燥が早くなります。
通常のビニール袋などに入れて、なるべく空気を抜くだけでも幾分か、乾燥を防ぐことができます。
みなさんも、冷凍庫から出してきたら、袋の中に霜が沢山ついてたという経験がありませんか?
これは乾燥によって気化した蒸気が凍った、小さな氷の粒なんです。
ラップをして、ビニール袋に入れて空気を抜いて保管すると、より一層乾燥を防ぐことができます。
これだけでも家庭用冷凍庫の温度で3か月くらいは美味しく保管できますよ。
そして更に高い品質のまま保管したいなら、真空包装です。空気を抜いて真空状態で袋を閉じるので、
家庭用冷凍庫でも半年間は高い品質を維持することができます。
ただ、これらの品質保持期間の目安は、温度と大きな関係にあります。
②なるべく低い温度で保管する
ずばり!冷凍温度の理想は、低ければ低いほど良い。なんです。
例えば、同じ食品を真空包装し、マイナス18度と、マイナス35度で比較した場合、
前者は1年くらい、後者は3年近くと、美味しく食べれる保持期間に差がつきます。
(特にマイナス30度以下くらいから保持期間が長くなる)
マイナス18度だと、商品にもよりますが、凍っているように見えても、実は80数パーセントしか
凍ってなかったりします。
これがマイナス32度となると、90%以上凍らせることが出来るのですよ。
必然と、蒸発しにくくなりますよね。
食品にもよりますが、例えばマグロだと、マイナス50以下は必須になります。マグロは脂が多いので、(脂は凍り難い)脂まで凍らせることが出来る温度でないと、酸化してしまうのです。
ほんとうに食品にもよるのですが、ここでは冷凍温度が低いほど品質高く、長期保存しておけると理解しておいてくださいね。
次回に続く
さかなだマートご利用のみなさんへ
さかなだマートでは、マイナス30度、マイナス55度と、商品によって冷凍温度を使い分けしています。
また、卸や、飲食店などプロからの依頼で、例えば、ある商品の賞味期限を18か月以上ほしいと依頼があった場合、マイナス55度庫を使い、品質を長期保持できるようにします。
2022年3月7日
食料高騰時に役立つ水産メーカーからの提案vol.1
昨年から、ガソリン、食料の値上げなど、じわじわと生活に影響を与えるようになってきましたね。
ロシアとウクライナの戦争が続けば、更に物価の値上がりに拍車をかけることになると思います。
コロナと言い、戦争と言い、ほんとうに不安な日々が続きます。
こんな時世において、私たちに何ができるのかとスタッフを交えて話すことも多くなってきました。
私たちに出来ることは限られています。ただ、生活していく上で、日々絶対に欠かせない大切な食料を提供する仕事なので、大きな役割を果たせるのではないかとの意見が多いです。
そこで、まず私たちが日常の中で実践していることを、みなさんに情報提供したらどうだろう?ということになりました。
私たちが飲食店さんに提案してきたノウハウや、安く美味しくを実現するために、25年間、私たちが最善と考えて作ってきた商品の利点なんかもご案内しながら情報発信できればと考えています。
大きな冷凍庫を持つ
さかなだマートのスタッフだけでなく、この漁師町に住んでいる多くの家庭が、大きな冷凍庫を持っているんですよ。
これは、安価な時に多く買って保存しておくためなんですね。
ほとんどの飲食店ではキッチンに置いていますが、大きなもの(206リットル)から比較的コンパクトな(63リットル)ものもあります。
最近は、ホームセンターなんかにも置いているところが増えてきて、価格も安くなってきました。
もちろん、ネットでも買えます。下記のリンク先の中に、アレジア冷凍庫というのがありますが、こんな形状をしてます。
先だって、さかなだマートのお客様が、『わけあり、まかないセット』を、安いので買ったんだけど、量が多くて冷凍庫に入らないとおっしゃってました。
ふるさと納税にも『漁師セット』という季節の魚のセットを出品していて、たくさんのお客様にご寄付いただき、喜んでいただいてるのですが、レビューでは、量がすごいので冷凍庫を空っぽにしてから買うべきとの感想が多いのですよ。
そしてつい最近、さかなだマートのお客さまからメールを頂戴したのですが、「大きな冷凍庫を買ったのよ。」とのことでした。
次回のメルマガでは、大きな冷凍庫を買って具体的にどんなメリットがあるの?にお答えしていきたいと思います。
2022年3月3日
食料高騰時に役立つ水産メーカーからの提案
ここ数日で、世界が騒がしくなってきましたね。
日本も対岸の火事ではないので、不安に感じておられる方が多いと思います。
そして北海道は、ロシアとの取引が停止すると、鮭や蟹に対する影響が避けられないので、困った問題だと頭を抱えています。
鮭や蟹専門に操業しているメーカーは、たいへんな思いをしているでしょうね。
さて、それは一般消費者の方も同じだと思います。ガソリンやガス、電気の高騰や食品価格の高騰に不安を抱かれていると思います。
そこで、さかなだマートでは、水産メーカーからの提案として、ちょっとでもみなさんのお役に立てることが出来たらと、食品の高騰時に役に立つ魚の知識やアイデア、提案の発信を考えています。
数回に渡って、発信してまいりますので、お見逃しのないようにしてくださいね。
あ、そうそう。ただ食費を浮かしたり非常食として保管するだけではなく、魚を美味しく楽しむというところでもお役に立てると思いますよ。
不安な世の中ですが、毎日の食事だけでも笑顔で楽しみたいですよね。
2022年1月22日
ここ数日、雪かきに追われる毎日です。
みなさん、体調を壊したりしてませんか? 寒い日が続きますから気をつけてくださいね。
私は去年秋ごろから年明けまで忙しい日が続いたので、ちょっと背中が痛くなってタイ式マッサージにお世話になってきました。
大沼公園の近くにいらっしゃる先生ですが、この方勉強熱心で、今でも毎年タイの師匠のところへ行って新しい施術を学んでいるそうです。
私のような素人では普通の整体とどう違うのかわからないのですが、ただ、この先生に施術してもらうと楽になることが多いんです。
田舎なものですから、近くにこんな先生が居てくれることはとても有難いんですよね。
私も数日前に61歳の誕生日を迎えましたから、自己管理をしっかり気を付けたいと考えてます。
そうそう、いろんな病気はお腹から来る場合が多いので、冷たい水を飲みすぎたりしないでくださいねと注意されました。
心当たりがあるので、ちょっと反省してました。
今、スケソウダラの身の筒切りを販売してますよね。
みなさん、スケソウダラの身ってあまり手に入れる機会が少ないと思うんですが、いかがですか?
まあ、手に入っても、ほとんどの場合、鮮度が問題だと思うんです。
スケソウダラ漁って、11月くらいから活発になってくるんですが、これくらいの気温だと、水揚げ直後でもめったに極上の鮮度にはお目にかかれないんです。
これが年が明けると、水温、気温が一気に下がるので、非常に鮮度が良くなるんです。
非常に鮮度落ちが早い魚ですから、極上の鮮度を食べれるのは2月中旬くらいまでなんですよ。
ただ、刺し網漁ですから、網にかかって次の日が時化なんかで漁に出れないと、海中の中で死んで、水揚げまでに時間が経つと海中で鮮度が落ちます。
水揚げしたばかりだからと言って、必ずしも鮮度が良いとは限らないんですよ。
じゃあ、どうやって極上か否かを見分けるの?と思いますよね?
それがあるんです。ちょっとこれを見てください。
北海道噴火湾産、超高鮮度すけそうだらの筒切り(下処理済み) 漁場通販のさかなだマート (sakanadamart.net)
工場に運びこまれた直後、スタッフが撮影した写真ですが、魚にまだら模様がくっきりついてますよね。
これが鮮度が良い証なんです。少しでも鮮度が落ちると、このまだら模様が消えてしまいます。
水揚げ地に居ながらもなかなかお目にかかれない鮮度なんです。
なんでも高価だから美味しいとは限らないし、その価値に対する適正価格って、なかなか一般の方にはわかりにくいと思いますから、こういった情報を参考にしてくださいね。
安価で美味しいって、やっぱり理想ですよね。これ以上のことは無いと思うんですよ。
物価も上がり、食糧難の時代が遠からず来ると囁かれているご時世ですから、私たちも精一杯手ごろな価格でご提供できるように努力していきたいと思います。
いつまでも、みなさまの食を支える仕事として、美味しいという喜びを提供できる仕事として、さかなだマートの工場はありたいと思います。
2022年1月11日
柳包丁の鏡面仕上げ
前々からやってみたかった、自作の鏡面仕上げにチャレンジしました。
サンドペーパーを使って、コツコツと磨いていき、包丁を鏡のように磨き上げるという技法です。
まずは磨き前の写真と磨いたあとの写真を見てください。
上が鏡面に磨く前の柳包丁です
そして上が磨いたあとの鏡面仕上げ柳包丁です
指の爪と、白い撮影用ライトが映ってます。
磨いたところは、切れ味に影響がないところなので、ほぼ装飾用ですね。
ただ、鏡面の部分は錆びにくいということが一つ言えます。
6日の社長日記に掲載してる包丁は、買った最初から鏡面仕上げになっていた包丁ですが、今回は自分でやってみたいと愛用の包丁で挑戦してみました。
やってみて、いい感じになったと満足してます。
目の粗いサンドペーパーから磨きをかけていき、番数を変え、ペーパーを細かくしていきます。
#320➡#600➡#1000➡#1200➡#1500➡#2000➡#4000➡#8000➡#10000➡#15000と、10種類のサンドペーパーを使って磨いていきました。
見事、まつ毛まで映る鏡面になりました。
ちなみに、裏側は磨いてません。
刺身を切る時に、刺身に刃が密着すると、刃にまとわりついて切りにくいからです。
まだミクロの傷が残ってますが、ほぼほぼ鏡のようになりました。
次に磨いた時は、ミクロの傷も消え、完全に鏡面になります。
切れがよく、美しく手入れされた包丁を持つと、料理する楽しみが増します。
先だって、女性社員に私の包丁を貸してあげたのですが、衝撃的な感動を覚えたそうです。
切れるってこういう事を言うんだ・・と、包丁の概念が変わったそうですよ。
その後、包丁の魅力に取りつかれたかのように、自分で研いで、こんな刃を付けたいと練習をはじめたくらいです。
基礎からきちんと教えてあげたいとコーチしてます。
研げるようになったら、質の良いマイ包丁を持ちたいそうですよ。
2022年1月6日
今年も魚に、包丁に夢中
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年、とっておきの包丁を買ったと報告しましたが、新年の初もうでで、今年は包丁の研ぎを極めると神様にも報告してました。
私は、食の道に入って43年経ちます。これだけの年数を経て、今、どうして包丁なのかと言うことですが・・。
それはやっぱり、奥が深いからです。
刃の鋼材だけでも沢山あり、砥石も天然砥石、合成砥石があり、天然砥石はもちろんのこと、合成砥石だけでも沢山の種類の砥石があります。
鋼材と砥石の相性を知るだけでも多くの知識や経験が必要で、理解を深めるには時間がかかります。
私の性分なのか、浅く広くよりも狭く深く学ぶことが好きなんですね。
ただ、深く学ぶには広く見識を持たないと、深いところに到達できないという事も学びました。
ですから、今は広い視野から狭く深くを心がけてます。
包丁は鏡面仕上げになっているので、天井の木目が映ってます。また、柄は部分的に漆塗りになってます。漆塗りのところが滑るかもしれないと危惧していたのですが、実際使ってみると大丈夫でした。
まあ、包丁に限らず、何事も学びには終わりが無いと思うんですが、食は私の天職ですから、包丁と向き合っているということなんです。
また、包丁研ぎには禅を感じるということも好きな理由の一つです。
包丁が研ぎ終わった頃には、余分に付けがちな雑念がオーバーホールされ、なんとも爽やかな、すがすがしい気分になります。
情報社会は、必要ない余計な情報もついてきますから、要らない情報を引き算して軽くするにも、研ぎはうってつけなんです。
座禅は私はちょっと苦手なんですよ。ついつい何か考えてしまうからです。笑
これではダメなんですけどね。
包丁を研ぐ時は、雑念が一切入ってきません。あれこれ考えてると手を切ってしまいますから。
一点を見つめ、集中して研ぐので、自然と雑念が消えていくのですかね・・。
そうそう、先だって、良い刃が付いた包丁でマグロを造ってみました。
研ぎが進歩したのか、口当たりが従来の切り口より、更になめらかになりました。
ここまで違いが歴然とわかるって、すごいなと自分で感動してました。
また、鋼の包丁の鉄分が、マグロの切り口に付き酸化作用を促すので、そういった事もまろやかさを醸し出すのに一役買ったと思います。
元々さかなだマートのマグロは、お客様の解凍時間や、身の腰の残り具合などさまざまな事を考慮し、ほんの少し熟成時間を短くしています。
私が自分で食べる時は、解凍時間を最短にし、解凍してすぐに食べるので、酸化を促すことによって最高の味になったのだと思います。
(酸化させてはいけない魚や状態もありますが。)
いやはや、包丁だけで味が変わるって面白いですよね。
そして深いですよね。
それが包丁を極めることの魅力だと思うのです。
今年も魚に夢中になり、包丁に夢中になって、みなさまに旨い魚貝をお届けします。