私たちの技術
2019年08月03日
3Dエアブラスト
さかなだマートが機械の設計から取り組んで開発した、3Dエアブラスト凍結法の説明です。
エアブラストとは、直接冷風を吹き付けて素早く凍らせる技術です。そして3Dは立体的にあらゆる角度から冷風を当てるという意味です。
この2つの技術を合わせた凍結法が3Dエアブラストとなり、凍らせる対象に、立体的に冷風を吹き付けて、いずれの凍結法よりもムラなく素早く凍らせるという技法です。
3Dだけでは弱く、強風を多面的に当てることにより、凍らせるスピードが早くなります。また、通常のエアブラストは一方面から吹き付ける技術ですので、これだと製品の凍結部分にムラが出来ます。
多くは何か利点が出来ると欠点も生まれるものですが、2つの技術を併せ持つことにより、欠点のない技術が生み出されました。さかなだマートが創造した、世界で初めての技術です。
魚を素早く凍らせることにより、細胞に傷が付くことなく凍らせることができ、解凍時も細胞がしっかりしているのでドリップが出ません。また、魚のエネルギーさえも閉じ込めますから、解凍時、魚の細胞が収縮します。
すなわち、捕れたての生のように歯ごたえが蘇るわけです。
2017年10月22日
一作日、醤油麹と塩麹が完成しました。22日に撮影しましたが、その後変化が無かったので、22日で完成としています。約10日間かかりましたが、夏場だともう少し早く出来たのかなと思います。漬けた当初よりかなりとろみが出て、旨味が増したように思います。今は密閉容器に移し冷蔵保管中です。以前から自宅で作っていた社員から聞くところによると、冷蔵保管で半年くらい持つようです。これで完成ですので、次は鮭とば作りに取り掛かりたいと考えています。
2017年10月22日
醤油麹と塩麹、10日目の写真です。まぜるレードル(おたま)が重くなるほどになりました。
写真の比較では少しわかりづらいかもしれませんが、10日目、かなりとろみが出ました。
塩麹も10日目、かなりとろみが出ました。これで完成です。次は実際、鮭を漬け込んで鮭とば作りに入りたいと思います。
2017年10月17日
醤油麹と塩麹を漬けて5日目。少しとろみが出てきたようです。一日一度かきまぜています。
色がわかりやすいように、撮影時、日光に当てて撮っています。夏だと、目安として7日~10日、冬ですと10日~14日程度寝かせます。
塩麹も5日目で少しとろみが出てきました。
2017年10月13日
醤油麹と塩麹
下の写真は醤油麹作り、初日の写真です。まずは麹だけを手で揉んだあと、醤油を同割いれて更に手揉みします。
下の写真は二日目の様子。まだほとんど変化はありません。室温は20度程度。北海道は気温がぐんと下がったので、部屋の中に置いています。
下の写真は混ぜたところ。
下の写真は塩、麹、水を合わせた塩こうじ作り初日の様子。こちらも同じように手揉みしたあと、塩、水を入れて更に手揉みします。
下の写真は二日目。こちらも初日との差は認められませんでした。
2017年9月04日
ブリ、ドレスの熟成結果
8月30日に水揚げしたブリ、ドレス(頭、内臓無し)の熟成結果です。今日で熟成5日目でしたが、結論から言うと、予想以上に良い出来でした。酸味も8割方無くなり、脂の旨みも予想以上に熟成して美味でした。
上の写真は、頭、内臓無し状態のブリを2枚に卸したものです。上側の身に付いている骨を外すと3枚卸になります。空気に触れていたお腹あたりが一部変色しています。ただ、卸した切り口に変色はありません。
先ほどのブリからカマを切り取り、フィレを更に中央で縦にカットして5枚卸にしました。変色した部分を取り除くと綺麗な色のフィレになりました。変色した部分は皮一枚で取り除いたため、歩留まりはほぼ計算に入れなくて良いくらいです。
※歩留まりとは、例えば原魚から頭や内臓、骨、皮など取り除いて最終仕上がった重量との比率。原魚が1kgで、最終仕上がりが600gであれば、6割となります。原魚を500円/kgで買った場合、6割だと、最終仕上がりのフィレは、500÷0.6=833円/kgとなります。
この状態で、エアブラスト急速冷凍機にかけ、超急速冷凍します。凍ったら、酸化を防ぐため、真空包装します。
飲食店に着いたら、解凍しますが、さかなだマートで5日間熟成していますから、この解凍した日から6日目、7日目とカウントすれば良いでしょう。原魚に近いドレス状態を冷凍保管するのは難しいと言われる方も居られるでしょうから、この大きさまでコンパクトに仕上げておくと、ほぼ大丈夫だと思います。
2017年9月02日
ブリの熟成結果
ブリ水揚げから8日目まで1日ごとに試食しました。日を追うごとに酸味が消え、まろやかさと旨みが乗り、深みが出ました。柵にしてキッチンペーパーにくるんで、1度の温度でテストしました。4日目に若干変色があり、6日目から表面変色が急速に始まり、変色した表面を削ぎ落し、綺麗な色の部分を味見するという方法です。
熟成6日目のブリ
4日目くらいから旨みが急速に増し始め、身質は若干柔らかくなります。ただ、それでも寿司ネタに使うには少し硬めかなという身質です。その後も少しずつ旨みが増し、酸味がかなり消えていくのですが、驚いたのは8日目の味でした。7日目の味とは違い、ここまで寝かせて「熟成」なんだというような、熟成特有(魚の熟成はこうではないかという推測)の味に変化したのです。
温度管理と湿度管理がしっかりしていないとここまで寝かせることは出来ないと思います。また、ラップに包んで寝かせるよりも、キッチンペーパーでくるんで日々取り換えながら、素材を呼吸させながら寝かせたほうが良いと感じました。
また、酸化した余分な水分を吸収しながら寝かせることによって、酸化の嫌味が身に沁み込みません。もう一つの利点は、ゆっくり水分を蒸発させてくれるので、魚の腰を保つことができ、旨みも増します。これは一夜干しの原理ですね。
そして今回作っているのは、ドレス状態(頭、内臓除去)で寝かせる方法です。これですと、柵より身を削ぐ量が少なくなるからです。(空気に触れる表面積が少なくなる)。
今日で3日目、月曜日(5日目)にフィレにする予定です。ドレス状態ですと、飲食店で寝かせるにはあまりにもスペースが大きくなり難しくなりますので、さかなだマートのほうで5日目まで熟成し、フィレにカットしてその後飲食店の冷蔵庫で寝かせることが出来るようにしています。どれくらい寝かせるかは、各店の好みにもよると思いますので。
生牡蠣瞬間冷凍
ここ数日、北海道知内の生牡蠣の瞬間冷凍を試みていました。
昨年、マイナス55度の壁を破って、液体をドライアイスの温度近くに下げることができたので、その威力を牡蠣でテストしていたのです。
計測ではマイナス65度ですが、実際はまいなす75度近くあると想定しています。
生きた牡蠣の殻を除いて身だけにし、真空包装して液体凍結庫に漬けてみました。凍結時間は5秒でした。
これは液体窒素を噴霧する窒素凍結よりも50~60倍速い時間です。
マイナス75度瞬間冷凍
驚異的な速さですねえ・・。
そこで今度は解凍してみました。
解凍の仕方は2種類。袋ごとぬるま湯に漬けて半解凍してあとは冷水に落として完全に解凍する方法。もう一つは終始冷水で解凍する方法です。
いくらかぬるま湯解凍のほうがいいように感じましたが、明確には差が出なかったように思います。
これは牡蠣自体が小さな個体ですので、あまり差が出なかったのかもしれません。
牡蠣を解凍した写真
その後、生のままの牡蠣と、冷凍解凍の牡蠣を二つ並べて試食会をしました。試食するスタッフにはどちらが冷凍かを教えていません。
結果は、3人とも「どちらが冷凍かわからない」でした。
解凍した牡蠣を盛りつけたところ
さてさて、これが成功したらどうしたかったのかですが、実は活牡蠣と変わらない冷凍を作って、剥いたあとの牡蠣の殻を添えて販売したいと考えているのですよ。
こうすることによって、盛り付けも映えますし、実際食べても活と変わらない美味しさですから、飲食店さんにも喜ばれるんじゃないかと。
【函館市国際水産・海洋総合研究センター】
今日は、一昨年に完成した、函館市国際水産・海洋総合研究センターを訪問しました。
未来大学や、函館水産試験場、北海道大学大学院水産科などが施設で研究をしています。施設の中には海底を探査するロボットなども展示されていました。いろいろ施設の概要や、建物を案内していただき、私たち企業にも非常に協力的に迎えてくれました。
函館市国際水産・海洋総合研究センター
館内には、海洋都市構想などの案内も
海洋探査ロボット
説明を受けたり、私たちの取り組みを説明している内に、来月開催の、年に一度のシンポジウムに招待していただくことになりました。
むつ研究所、函館水産試験場、未来大学、北海道大学の教授たちの成果発表の会です。
津軽海峡の環境変動観測、海洋短波レーダーによる東部津軽海峡の表面流モニタリング、大型実験水槽を用いたイカ類の繁殖生態に関する研究や、北大FSC生態系変動解析分野の研究開発概要、スマートな操業を目指したイカ釣り漁船のリアルタイムモニタリングなど、内容もさまざまです。
特にイカの生態に関する発表は楽しみです。私たちの商品開発のヒントにもなります。
国際的な水産・海洋に関する学術研究拠点として海洋都市構想を立て、産官学が連携してマリンサイエンス分野で世界をリードする研究成果や革新技術を生み出し、雇用の創出と産業経済の活性化に結びつけることが狙いだそうです。
2月17日にシンポジウムがありますので、また結果報告します。
http://center.marine-hakodate.jp/
【魚の解剖から得たことpart1】
ここのところ、魚の血抜きをテーマに、あれこれ考えています。 魚は、活〆にする時、心臓を動かしたまま血抜きをしますが、締める位置は本当に適切なのか、締め方は本当にこれがベストなのか等、教わった知識ではなく自分で実際確かめ、根拠を明確にしたいので調べてみました。
それともう一点、生きてないと血抜きは出来ないのか? ここは私たちが挑戦するところになるのです。すでにやってみたいことがいくつかあり、死んだ魚でも(新鮮なうち)血抜きをして提供できないかという実験です。要は、心臓が止まると血が抜けないなら、人口心臓なる役割をするものを作ってしまえっていう発想なんですよ。
いやあ・・とんでもない事を考えているのは重々わかっていますし、それが出来るのか実際やってみないとわからないのですが、とにかくいつもの如く好奇心の血が騒ぐのです。
昨日、鮭が入ったので、解剖してみようかと、ちょっと思い立って始めたのですが、これが結構勉強になったのですよ。
まず、魚の血管の構造と申しますが、どこからどこへ、どのように流れているのかを調べてみたいと包丁を入れました。 テストの仕方は簡単です。内臓や頭を落とさず、半身だけをパカッと取り外すという方法です。
手順はこうです。
①エラに傷つけないようにカマ下に切り込みを入れます。
②次に、尻ビレから身に包丁を入れ、背骨に当たるまで切り込みを入れます。
③次に、背を同じように切り込みを入れます。すると、内臓もエラも傷つけずに半身だけを外すことが出来ます。
④次に内臓だけに水をかけるように、よくお腹を洗います。 内臓がどうなっているのか、血管がどうなってるのかよく見えます。
血液は心臓から動脈を通って、静脈から帰ってきますので、その帰ってくる道筋と申しますか、体内のどこにどのように、どの順番で巡っているのかを見てみたかったのです。
まずは心臓の血管の繋がり方でしたが、これはしっかり確認できました。 出ていく血管、戻ってくる血管、いずれも確認できました。
正直、心臓が送り出した血は、体内、内臓など、どの順番で巡っているのかわかってません。
ただ、今、推測しているのは、心臓から真っ先にエラに入り、そこから酸素を取り込んで、脊椎を通って、筋肉のほうへ流れ、そして内臓を巡って 再び心臓へ戻ってくるのではないか・・。そんな風に仮説を立てています。
実は以前、2450万画素のカメラでエラの超接写をしたときに、大きく拡大すると、エラの一本一本に血管のようなものを発見したのです。
海水を取り込んでエラの血管から酸素を取り込み、体内に行き届かせているのでは?と考えました。ですから、心臓から送り出された血液は、まずエラへ行ってるのだろうと考えたわけです。
≪今回の解剖からわかったことと仮説≫
・エラを繋いでいる軟骨の裏側に太い血管が流れていること。
仮説:その太い血管から分岐してエラのヒダの一本一本に毛細血管が張巡らされている。あまりに血が多かったので、目視で確認できませんでした。次回はエラを取出し洗浄してから確認してみたいと思います。
・脊椎の裏側に張り付くように太い血管が通っていること。そしてその血管は軟骨でできた小さなトンネルの穴の中を通っている。
・脊椎の裏側に針の先ほどの穴が無数に開いている。その穴の中を毛細血管が通り、アバラ骨の一本一本の先まで血管が通っていること。それは両側の腹骨に通っている。腹骨の血管をつまむと、その穴から血が出たことで確認できました。
・いくつもの臓器がどこに配置されているかを確認。なぜここなのかを考えていました。
まあ、第一弾はざっとこんなところでした。 次回は一つ一つの部位を切り離して調べてみたいと思います。 海からの恵みは決して活魚だけではありません。鮮魚が圧倒的に多いわけですから、私たちとしては、その鮮魚や冷凍品をいかに品質よく届けることが出来るかにも挑戦したいと思っています。
【魚の解剖から得たことpart2】
さて、今回はブリの血管の仕組みを調べていました。 心臓から動脈に送り出された血管は、やはり鰓の鰓弓から鰓のヒダヒダ(鰓弁)に流れており、鰓弁で、二酸化炭素を放出し、酸素を取り込むガス交換をしています。 そこから脊柱に入り、脊柱を尻尾まで通る動脈と、内臓へ繋がる動脈に分岐しています。
内臓に張り巡らされた血管は解明できていませんが、脊柱からアバラ骨に向かう細い血管などは確認できました。 血抜きの目的は身に血が付かないことですので、内臓の血は調べる必要ないかと考えています。 要は、脊柱あたりの血と、筋肉に伸びている血を抜き取ることだと思います。
今回は、もう一点、血管を送り出す心臓の仕組みを解明するため、心臓を開いてみました。 魚の心臓は1心房1心室の構造をしていました。 心臓には、動脈に血液を送り出す白い円錐形の筋肉が付いており、動脈には血が流れるが、逆からだと流れないようになっていて、心臓に逆流しない仕組みになっていました。 また、心臓の内部は空洞になっていて、ポンプの役割をしています。
心臓が膨らんだ時に静脈から血を吸い入れ、縮んだ時に動脈に送り出されるようになっているのでしょう。
鮮魚から血を抜く作業もテストしてみました。 心臓の弁のところからポンプの役割をする道具で動脈側に押し出し、尻尾から返ってくる静脈から血を抜くことが出来ました。
身の細い血管の血を抜き取ることが出来ませんでしたが、手作業で簡単に抜けますので、手作業を兼ねて血抜きをした後、熟成させ、フィレにしてみました。 血を抜いた魚と抜いてない魚では明らかに違いがある事を確認しました。
今後も実験を継続してまいります。
新ブライン凍結
ここまで来ました。-65度液体凍結の世界
マイナス65度のブライン凍結に挑戦していましたが、今年、完成しました。 実質はナイナス70度あると思いますが、あいにく工場にはマイナス70度を正確に計れる温度計が無かったので、正確な数値が計れるマイナス65度を計測結果としています。
さすがにマイナス65度となると、液体というより、シャーベット状の中に魚を入れるという感じです。
今までもマイナス55度ですごいなと思っていたのですが、実際テストしてみて驚いたのですが、また別世界の次元です。 マイナス65度というとどんな世界かと申しますと、例えばマイナス60度の気温に、熱湯を空高く撒くと、空気中で水蒸気が凍って煙幕のような状態になります。また、バナナで釘を打てる温度です。
それがマイナス65度の液体に直接浸けるのですから、これはもう驚異的な世界なんですよ。 液体は、空冷より千倍の保冷力がありますから、そのパワーは想像を遥かに超えます。
いやあ、あまりのパワーにスタッフたちが目を白黒させてました。 私もですが・・・。
今後は、商品を全てマイナス65度で凍らせていきたいと思っています。 早速、今開発しているブリのブロックカット冷凍をマイナス65度液体凍結機で作ってみたいと思います。
この冷凍機で魚を凍らせると、細胞に全く傷をつけることなく、軟化現象も極端に抑え、解凍してもドリップがゼロです。まるで今まで生きてたかのような状態です。
マイナス70度近い温度でフローズン状態になったブライン凍結機内。数秒で凍らせてしまう。
水産新聞記事「熟成と脱水のタイミングを合わす」渡島支庁発行プロ用厳選素材、南北海道食彩王国に掲載雑誌表紙 北海道渡島支庁が発行する、プロ用厳選素材、南北海道食彩王国に掲載されました。
プロ間マーケットプレイス情報掲載~プロ間マーケットプレイスより記事抜粋~
┃ 安価な冷凍技術を独自に開発。調理の現場で「使える」価格に
┃浜市場の入札権を取得。新たな加工品も続々登場
それでも辻合さんは、何度も漁協へ足を運んで粘り強く説得。1年半の間に10軒の浜市場の入札権を取得した。中には、「新規参入者は16年ぶり」という市場もあるという。
「活きたまま瞬間的に丸ごと凍らせます。内臓を取ってソースにして、イカの上からかける……レシピもこちらから提供しています。私も20年料理をやっているものですから、この商品をどう使ったらいいのか、アドバイスしながら北海道の商品を本州へ流通 させていきたい」 料理人の立場にたって開発した「イカのラウンド」はすこぶる好評。案内を送り、サンプル請求のあった顧客の90%は、取引につながっている。 取材記者:三好かやの |
鮮魚とは、新鮮な魚介類のことです。いかにしてその品質をおとさずにお届けできるか それが、私たちの誇りです。 スーパーにずっと並んでいた 魚や刺身のトレーのそこに赤い色をした液体(ドリップ といいます)がでていませんか。そして同時に生臭さもでてきていませんでしたか。これが一番 鮮度を落とす原因となるのです。
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